わたしは 大きな建物のあるところで
まいにち訓練を受けました

とても揺れる小さな箱に入れられたり
長い間じっとしていなければならなかったり
わたしは あのこのうちにいたときのように
のびのびとはできませんでした

けれど おおぜいお友達もできたし
訓練が終わったら
きっとまた あの子のところへも帰れるのです

だから わたしは つらくはありませんでした

その日は いつもよりたくさんの男の人たちが
わたしのまわりにあつまっていました

わたしの入れられた箱は なんだかいつもと
ちがう形をしています

今日は なにかとくべつな日なのでしょうか?
そう尋ねたくて 顔みしりの白い服の人間を
わたしはじっとみつめました

白い服の人間は なぜだか わたしを見ないようにして
箱のふたが閉じられるまで
ずっと 頭を撫でていてくれました

うれしくて しっぽをふりたかったけれど
狭い箱の中では うまくいきませんでした

やがて まっくらななか 
箱はごう音をたててはげしく揺れ動きはじめました

いつもとは やっぱりなにかがちがいます
はげしいゆれと音は いつまでも収まらず
からだじゅうが しめつけられるように
くるしくなってきました

わたしは 何も見えないくらやみの中で
なんども
なんども
あの子をよんで 鳴きました

+まえ+  +もどる+  +つぎ+

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